相続で覚えておくべき基礎知識
~注意点・ポイント編~
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不動産の相続で覚えておくべき基礎知識
~注意すべきポイント編~
不動産相続のトラブルは高額な相続税がかかる富裕層だけの問題で、自分には関係がないと考えている方が多いのではないでしょうか。しかし、司法統計年報によると、2023年に申し立てた遺産分割調停のうち、遺産額が5,000万円以下のケースは約78%、1,000万円以下は約34%でした。このように、ごく普通の家庭が相続で揉めて争いに発展してしまう原因の1つに、不動産相続の知識や準備が足りないことが考えられます。
所沢市で相続不動産売却の実績が豊富な不動産アカデミア株式会社が、大切な遺産をめぐって家族でトラブルにならないためのポイントを解説します。
不動産を相続するときに注意しておくべきポイント
ポイント01.
相続人が複数人いる場合
不動産登記を共有名義で行うのは、将来的にトラブルにつながりやすいのでおすすめできません。遺産分割協議では、以下のような分割方法を選択しましょう。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
分割方法 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
現物分割 | 複数の不動産がある場合、不動産ごとに相続人を決める方法 | 不公平になることが多い |
更地にして分割(分筆登記)する方法 | 分け方次第で売却や建て替えが困難になることがある | |
換価分割 | 不動産を売却し、得た現金を分配する方法 | 最も合理的で公平 |
代償分割 | 相続人の一人が単独所有者になるために、ほかの相続人に代償金を払い、共有の持ち分を買い取る方法 | 事業の承継や、すでに居住している場合に選択されることが多い 代償金が高額になることが多く、現実的ではない |
換価分割は、登記簿上の代表相続人を1名に決めておくと、売却の手続きや名義変更などがスムーズです。
ポイント02.
不動産を相続したくない場合
管理や税金の負担を避けるため、老朽化した家を相続したくない事情がある場合は、以下の方法を検討しましょう。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
相続の方法 | 内容 |
---|---|
相続放棄 | マイナスの財産だけでなくプラスの財産も一切引き継がない |
限定承認 | プラスの範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ |
不動産売却 | 相続した不動産を売却し、資金に変えることができる |
寄付 | 不動産を社会福祉法人などに寄付することができる |
国庫帰属 | 相続土地国庫帰属制度を利用し、不要な土地を国に返すことができる |
相続放棄や限定承認の場合は、3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きをする必要があり注意が必要です。他の方法(不動産売却、寄付、国庫帰属)については、それぞれ異なる手続きが必要となりますので、事前に確認することをおすすめします。
また、活用の予定がない土地を相続する場合は「相続土地国庫帰属制度」を利用すれば、不要な土地を手放せます。
引き取り手を自分で探す手間がないことや、今後の固定資産税や管理コストを考えると魅力的ですが、審査要件が厳しいことや負担金などの支出もあります。
ポイント03.
空き家である場合
空き家をそのまま放置すると「管理不全空き家」となり、固定資産税などの納税額が最大6倍になることがあるので、なるべく早めに売却することをおすすめします。
相続前に空き家だった理由が、老人ホームへの入居や入院だった場合は「小規模宅地等の特例」「相続した空き家を売却した場合の特例」を適用できるケースがあります。
ポイント04.
不動産を売却して
現金化する場合
不動産を売却して現金化することは、相続税の支払いに困らないだけでなく、複数の相続人で財産を分割する場合にもトラブルが起きにくいのでおすすめです。
不動産売却の方法は、広く一般から買主を見つける「仲介」と不動産会社が買主となる「買取」があります。一般的に仲介の方が売却価格は高いですが、平均3~6ヶ月の期間がかかります。相続税の支払い期限は相続発生から10ヶ月なので、売却を検討している場合は、なるべく早めに不動産会社へご相談ください。
ポイント05.
相続する住宅が借地に
建っている場合
借地に建っている家を相続する場合は、借地権も相続できます。相続の際に地主の承諾は必要なく、土地の賃貸借契約書の名義を変更する必要もありません。ただし、相続後の建て替えと借地権の売却には地主の許可が必要です。また、借地権にも借地権割合に応じた相続税がかかります。
ポイント06.
被相続人が認知症に
なる前に対策を行う
被相続人が認知症になり意思能力がないと判断された場合、以後に作成した遺言書や契約は無効になる可能性が高くなります。また被相続人は認知症ではなかったとしても、残された配偶者が認知症の場合、遺産分割協議が成立しません。
こうした事態を解決するためには、以下の対策が有効です。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
状態 | 対策 |
---|---|
意思能力あり | 公正証書遺言など有効な遺言書を作成する |
任意後見人と契約する | |
意思能力なし | 法定後見制度を利用する |
ポイント07.
事前に不動産の
価値を確認する
将来的に不動産の相続が発生し複数人で相続する場合「分割方法で意見が合わない」などのトラブル防止や、不動産を有効活用するために相続前に不動産の価値を確認しておくことが大切です。不動産の評価額は主に4つあります。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
価格の種類 | 内容 |
---|---|
地価公示価格 | 全国の拠点地に対して不動産鑑定士が評価。国土交通省が公表。 |
路線価(相続税評価額) | 相続税や贈与税の算出に用いられる評価額。地価公示価格の約八割程度。国税庁が公表。 |
固定資産税評価額 | 固定資産税や不動産取得税などの算出に用いられる評価額。地価公示価格の約7割程度。 |
実勢価格(取引価格) | 実際に取引が成約した価格、相場。 |
売却した場合の相場と相続税を算出する評価額は異なるので、注意が必要です。
ポイント08.
状況によっては相続発生前に不動産を売却する
以下の状況に当てはまる場合は、相続が発生する前に不動産の売却を検討しましょう。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
状況 | 売却したほうが良い理由 |
---|---|
不動産の相場価格が高い時 | 不動産価格は、短期間で大幅に下落することがあるため、相続を待たずに売却したほうが良いケースがある。 |
小規模宅地等の特例が使えない時 | 利用できる特例や制度がなく、相続時まで不動産を持ち続けるメリットがない場合は、早めに売却を検討するのがおすすめ。 |
不動産が市場のニーズに合わない時 | 相続発生後に売却活動を始めた場合、相続税の支払い期限までに現金化できない可能性がある。時間をかけた方が高価で売却できる可能性があるため、相続発生前に売却活動を始めるのがおすすめ。 |
ポイント09.
相続に実績があり信頼できる不動産会社へ相談する
不動産会社によって得意分野や対応できる範囲は大きく異なります。不動産相続の知識と経験がある不動産会社を利用することで、利用できる税制優遇制度や、次の世代までを考慮に入れた個別具体的な相続対策をアドバイスできます。
不動産アカデミア株式会社は、これまで不動産相続に関するさまざまなご相談に対応してきました。小さなことでも親身になって対応しますので、お気軽にご相談ください。